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国家犯罪に謝罪と名誉回復を!〜横浜事件国賠訴訟はじまる

「“この聖戦下に、よくもやりやがったな。小林多喜二の二の舞を覚悟しろ”と口々に叫びながら、土間に座らせた半裸の木村亨に対して、特高は、竹刀、木刀、椅子のカケラ、荒縄などで襲いかかりました」。2月21日、横浜事件・国賠訴訟の第1回口頭弁論で、妻の木村まきさんが証言台に立った。「木村は虚偽の自白に追い込まれ、その痛みと屈辱は生涯消えたことはなかったと思います」。戦時下の言論弾圧事件・横浜事件の再審裁判は、2008年最高裁で免訴が確定し刑事補償も終わった。しかし、謝罪も名誉回復もない「免訴」という決着に納得がいかない2人の元被告遺族が、国家賠償請求という形で今回訴訟を起こした。

提訴したのは、元被告遺族の平館道子さんと木村まきさんで、請求額は一人あたり6900万円。その根拠は、逮捕された1943年から2012年までの69年間に対するもので、1年あたり100万円とした。

第一回裁判は、東京地裁民事30部・菅野雅之裁判長のもと、21日午前10時15分から始まった。傍聴人は全部で20人くらいだったが、報道席7席は埋まり、マスコミの関心の高さを窺わせた。

この日は、原告の平館道子さん(代理人弁護士が代読・5分)と木村まきさんの意見陳述(15分)があった。まきさんはこれまでの長い再審裁判でも口頭で陳述したのは初めてとのこと。弁護団席ではなく中央の証言台で、裁判長に正面から語りかけた。「夫であり横浜事件元被告の心と身体に触れてほしい」と訴える言葉から始まり、拷問の実態と苦しみ、裁判資料の隠滅、そして裁判の長期化をはかった司法の責任、名誉回復の必要性など、説得力のある言葉で語った。

その後、司法記者クラブで記者会見。森川文人弁護士は、国から出されている答弁書に触れ、「国は事件の具体的内容に踏み込まず、門前払いにしようという意図が感じられる」と述べた。原告側としては、裁判所の「戦争加担」「証拠隠滅」「免訴の無責任性」などを今後法廷の場で明らかにし、「司法の責任」を徹底して追及する方針だ。(M)

次回は、4月18日(木)午前10時45分、東京地裁611号法廷。


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