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LNJ Logo おかしいのはどっち?〜入れ墨問題で上司とやりとり(大阪市職員・矢野幸一)
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入れ墨問題での話し合い記録

   大阪市職員 矢野幸一(なかまユニオン大阪市職員支部)

●7月13日(金)16:10〜16:30

西部方面管理事務所の所長及び担当課長から呼び出しを受け、「職務命令書」を手渡された。そのときのやり取りは、以下の通り。

所長:本日改めて「職務命令書」を手渡す。7月27日までに調査票を出すようにとのこと。今回は市長名の命令書となっている。矢野さんの気持ちは分かるが、我々としては命令に従うしかない。

矢野:前回申し上げた時と気持ちは変わっていない。むしろこの間、色んな人のところに呼ばれて話をしたり聞いたりしてきたが、すればするほどプライバシーに踏み込む調査を職命令で行い、それに協力しなければ懲戒処分というやり方は尋常ではないとの確信を持ってきた。先日父方の田舎である高知に帰ってきた。その時に従兄弟から高知新聞を渡された。そこにはまんが道場の一般の部で特選になった漫画が載っていた。それは、右腕に橋下命と入れ墨をした男性の前で市長が下を向いて「あーこりゃあ困ったなァ」と言っているまんがだった。もう一枚の新聞は、同じく高知新聞の「入れ墨調査」と題する投書であった。それは、次のような記事だった。

「大阪市の橋下市長が、市職員の入れ墨調査に乗り出し、後日調査に回答しなかった職員の昇進を認めないと発言した。行き過ぎではないだろうか。少し前の入れ墨は、反社会的勢力の象徴で嫌悪感を覚える人も少なくなかったが、今はファッションの一つとして、外国のスポーツ選手や芸能人にごく自然に見受けられるようになった。市長が、選挙で選ばれたことをもって、自分の命令を正当化し、服従を指示することは危険この上ない。独裁者をだれも望んではいない。前の大阪市の助役に、入れ墨があったこともみんなが知っていたことだ。
 今さら、入れ墨の有無をもって公務員の適正を判断するのは、ナンセンスではないか。入れ墨を組織が強権的に禁止したり、職務に関係しない調査をすることは、思想良心の自由を定めた憲法に違反する。
 市長が、選挙で選ばれたことをもって、自分の命令を正当化し、服従を指示することは危険この上ない。独裁者をだれも望んではいない。
 市職員の政治活動を規制する罰則付きの条例案を考えるなど、国政への野望を秘めた橋下市長の下で働く市職員の辛労をねぎらってやまない」(この2枚の新聞のコピーを渡した)

 こうした意見が「世間」の見方だと私は思っている。

 入れ墨問題もさることながら、「職員の政治的行為の制限に関する条例案」は更に問題だ。これを適応されたなら、私は直ぐに解雇だろう。デモや集会で市長批判をしたら解雇。ひどい条例だ。これからも色んなところに呼ばれて発言する機会が増えるだろうから。先日、環境局の職員組合が民営化反対のビラを配ったことが「政治活動」だとして問題となっている。これからは、何にもできなくなるということだ。若い後輩達がこれから何年もそうした状態に置かれることになる。これまで色々主張してきた者として、そうした状況を見過ごすことはできないという思いだということは、分かっていただきたい。

所長:矢野さんの言われていることは分かっている。あの条例は時間中にしてはいけないということだと思う。環境局のことも仕事中にビラを配っていたと聞いている。

矢野:それは違うと思う。条例案にはそういう限定は書いていないし、この間の市長の発言からはそうは取れない。環境局の件は、もし仕事中に配っていたというならそれは駄目だが、違うと思う。後で人事課に確認する。

所長:もし、時間外にやることまで禁止するということなら憲法に反しているので、やりすぎだと思う。

矢野:とりあえず、所長の立場もあるので、職務命令書は受け取っておく。

追記
直ぐに人事課に確認したところ、「あの条例は、時間外にしたことも対象としている」「環境局のビラは時間中にやったことではなく、業者委託してポスティングする話だった」とのこと。このことは所長にも伝えた。

Created by staff01. Last modified on 2012-07-15 19:01:32 Copyright: Default

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