本文の先頭へ
LNJ Logo 続報 : 韓国のテレビ局ストライキ(安田幸弘)
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1337913094943st...
Status: published
View


*レイバーネットMLから
安田(ゆ)です。

なんだか最近、韓国のテレビ局ストライキの追っかけばかりやってます。

韓国人はドラマが好きだそうで、地上波テレビ3局がしのぎをけずる毎週水曜と
木曜のドラマ枠は、KBSの「赤道の男」、MBCの「キング2ハーツ」、そしてSBSの
「屋上の皇太子」がそれぞれ10%中盤から後半の視聴率で今週、最終回を迎えま
した。
…という話はどうでもよくて、「赤道の男」最終回を目前にした水曜放送分で、
ドラマの編集が間に合わず、最後の10分前に画面がブラックアウトし、放送が中
断するという大型放送事故が起きたそうです。

韓国のドラマの制作システムは、とにかく時間との闘いだそうで、最後に近づく
と放送が始まっても編集が続いているなどというのは珍しくないとのことなので
すが、今回は撮影が遅れて放送開始の2時間前まで撮影が続き、結局その部分の
映像素材の到着が間に合わず、真っ黒な画面が送信されるという放送事故になっ
てしまったそうです。
未送信分は翌日の最終回に放送されたとのことですが、とにかく最近稀に見る放
送事故になり、ドラマのファンの間で大きな話題になっているとのこと。

韓国ドラマに関するニュースなどではここでオシマイなのですが、実はこの事故
はKBSストライキと無関係ではないという話があります。

韓国の「メディアオヌル」という言論労組に近いメディアニュースサイトは、こ
のストライキについて、このドラマで予定されていた3人で構成される演出チー
ムのうち、2人のスタッフがKBS新労組のストライキによりチームから抜け、非組
合員の1人で演出・監督を行なっていたそうです。3人いればもう少し余裕もあっ
たのかもしれませんが、時間に追われる中、1人で作業していたことが今回の放
送事故の背景にあったと伝えています。
メディアオヌルは、当初、このドラマの演出チームに参加する予定で、ストライ
キのためにチームから抜けたキム・ジョンミンPDへの取材で「根本的な原因はド
ラマの製作システムの限界と台本と撮影、編集が連鎖的に遅れる慣行にあるが、
通常の体制なら撮影が遅れればチームの助言で撮影を諦めるなどの対策を取り、
放送事故に至らなかったはずだ」とし、今回の放送事故はストライキによるス
タッフの不足がその背景にあったと伝えています。

KBSのストライキは、主に新労組(民主労総系第二労組)が中心で、ストライキに
参加している組合員の多くは報道関係の記者などです。ストライキ参加の規模が
大きく、今も番組の混乱が続いているMBCと較べると、実際の放送への影響は小
さいと言われていましたが、今回の放送事故でドラマの分野もかなりの綱渡り状
態で放送を続けていることが立証された形です。



Created by staff01 and Staff. Last modified on 2012-05-27 12:32:16 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について