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1.17 第十九回CS神奈川懇話会「韓国の<核発電>と市民運動」報告

2012年1月17日、川崎市の高津市民館において、市民連帯神奈川懇話会「韓国の<核発電>と市民運動」を開催しました。話題提供者は、「緑色党」創建中の李大洙さん(京畿市民社会フォーラム・写真上)で、通訳・解説は大邱在住の岡田卓己さん(韓国啓明文化大学招聘教授)。李大洙さんは今回、「脱原発世界会議」出席のため来日し、旧陸軍登戸研究所などへも足を運びました。過去にも、日韓市民運動交流のため、何度か訪日しています。参加者は、街宣終了後に合流した「脱原発かわさき市民」メンバーなど、全体14名でした。

最初に李大洙さんが、以下のように報告しました。フクシマ原発事故を原発輸出の好機とみている李明博政権に対して、韓国では「脱核」運動が再始動している。ヨーロッパでは脱原発の流れがあるが、韓国・日本・中国など原発が密集する東アジアでも「脱核」連帯が必要だ。これは、民主主義の問題でもある。なぜなら、民主主義のない社会では原発の情報公開がされない。また、原発は貧しい地域に建設され、事故の収拾には貧しい労働者が投入される。「原子力カルテル」が人々を危険に曝しているが、平和に生きるためにも原発は廃止すべきだろう。   昨年10月26日のソウル市長選で、既成政党は候補を出さず、反李明博選挙連合が支持する朴元淳氏(市民運動出身・無所属)が当選した。そして1月9日、朴元淳ソウル新市長は原発電力代替計画を発表した。また、韓国では日本の非核都市宣言を見習おうとする、地方都市が出てきている。そうした中、「反核兵器・脱核発電」を方針とする韓国「緑色党」が創建途上にあり、現在の党員の半数は女性である。民主的な政党、民主的な市長、民主的な大統領を選出できれば、原発を減らし無くしていくことが可能だろう。

ヒロシマとナガサキの平和博物館も見学したが、そこでは戦争を引き起こした反省は不足していると思う。それに対し、現在の日本の脱原発運動は優れている。なぜなら、不便さや高コストの負担も覚悟した上で脱原発を主張し、フクシマの苦痛の中で新たな希望を見出しているからだ。東アジアの平和には相互の協力が必要で、自国の原発に反対するだけでなく、原発の輸出に反対することも重要だ。エネルギー大量消費社会も、変えていくべきだろう。

韓国では、今年4月に総選挙、12月に大統領選挙が行われる。民主的な議員や大統領を選び、脱原発運動を広げていきたい。現在の韓国ではインターネットやSNSが発達しており、それによって女性や若者の政治的関心が高まり、選挙の投票率も上がっている。日本の脱原発運動でも多くの若者や女性が声をあげているが、これは明るい未来への希望だろう。ヒロシマ・ナガサキへの原爆投下直後の姿とは違う。フクシマの苦痛の中で考え、希望を見出した日本は、新しい平和運動のパイオニアとなっている。

次に岡田卓己さんが、「脱原発世界会議」での活動とマスコミ報道、韓国の核エネルギー・サイクル確立の策動、日本海を囲む東アジアの原発立地状況、韓国市民も原告団に入る予定の玄海原発訴訟、そして「在韓ヒバクシャの街」陜川で行われる「2012非核・平和大会」について付言しました。質疑・討論では、韓国「緑色党」・モンゴル「緑の党」・日本「緑の未来」による「共同宣言文」案、韓進重工業闘争「希望バス」や双竜自動車闘争「希望テント」に見られる労働運動と市民運動の連帯や既存政党との関係、そして韓国の原発と立地自治体ないし周辺自治体の動向等が議論になりました。なお、当日の様子はユーストリームのアーカイブで、ご覧になれます。

http://www.ustream.tv/channel/cskanagawa02

佐藤和之(CS神奈川世話人)


Created by staff01. Last modified on 2012-01-20 20:03:58 Copyright: Default

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