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12.9 第十七回CS神奈川懇話会
「『青春70歳ACT』出版を記念して」報告

2011年12月9日、川崎市の中原市民館において、市民連帯神奈川懇話会「『青春70歳ACT』出版を記念して」を開催しました。話題提供者は、東京大空襲訴訟原告の斎藤亘弘さんと、元鉄建公団訴訟原告の佐久間忠夫さんで、全体の参加者は10人。「戦争と鉄道の地域史」を調べている教育労働者が遅れて駆け付け、昔、川崎の病院で労働争議を闘ったという女性が電話をくれました。

懇話会では最初に、ロゴスの村岡到編集長が『青春70歳ACT』出版の経緯と、出会った著者4人に関して説明しました。すなわち、「国鉄労働運動60年」の佐久間忠夫さん、「戦争・安保・冤罪・差別・震災」を体験してきた元教育労働者の佐藤三郎さん、「東京大空襲裁判闘争」の斎藤亘弘さん、故・朝日茂氏が座右の銘にしていたイェーリングの言葉を胸に「朝日訴訟から生存権裁判へ」と闘争を展開する朝日健二さん。このうち、神戸の佐藤三郎さんの活動と岡山の朝日健二さんの闘争については、特に詳しく紹介されました。

斎藤亘弘さん(写真上)の話は、長年にわたり映画界にいた人らしく、NHK「カーネーション」と「坂の上の雲」の評価から始まりました。これらの作品は、映像技術も脚本も配役も優れているが、司馬史観には「侵略」の視点が欠落していると指摘。「私の家族は東京大空襲の犠牲者であり、明治維新からの日本の近現代史が間違った方向へ歩んだ結果だと捉えている」と述べました。さらに、東京大空襲60年展の際に作成した冊子「東京大空襲に至る<近現代史>解題」では、国家の「侵略のつけ」としての庶民への惨酷な犠牲を辿ったことを紹介。また、東京大空襲訴訟控訴審は来年4月25日の判決を待つばかりとなりましたが、今後は脱原発への国策転換も要求していきたいと意欲を語りました。

議論では、太平洋戦争の空襲により焼け出された庶民と、3・11原発事故による「放射能の雨」から逃げ惑う福島県民らとの、共通性が話題になりました。国は「神風が吹く」と嘘をついて国民を戦争に動員しましたが、軍人・軍属には恩給があるのに、空襲被害者には補償がありません。他方、国や東電は「安全神話」をバラまいて原発政策を推進してきましたが、事故被害者の特に「自主避難」者には、見舞金程度で誤魔化そうとしています。

佐久間忠夫さん(写真上)の話は、横浜でうけた空襲体験から始まりました。続いて、現場からみた戦後労働運動史が語られましたが、注目されるのは未だに真犯人が分からない、1949年「国鉄三大謀略事件」(下山事件・三鷹事件・松川事件)に関する話でしょう。今年11月に三鷹事件の「死刑囚」竹内景助氏の長男が、再審請求を申し立てたからです。最後に、国鉄闘争は一区切り付いたが、さらに雇用確保をめざし闘っていくと決意表明。また、脱原発の闘いで勝たないと、逆に「大政翼賛会」に似た動きが出てくると警告を発しました。

質疑では、「一人一人が起ち上がり、人らしく生きていくことが重要、という考えはいつ生まれたのか」という質問が出されました。佐久間さんは、「日本が敗戦で軍国主義から民主主義へと転換したが、大人は誰も責任を取らなかった。そんな風にはなりたくないという思いから、自分の頭で物事を考え判断するようになった」と回答。今回も時間が足りない状況でしたが、ベテラン運動家2人を交えた議論で、皆の元気が出る集会となりました。

報告=佐藤和之(CS神奈川世話人)


Created by staff01. Last modified on 2011-12-11 14:40:25 Copyright: Default

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