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LNJ Logo 渡辺治さんの新著「憲法9条と25条・その力と可能性」
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首都圏青年ユニオンの河添誠です。

渡辺治さんの新著を紹介します。

これまで、渡辺さんが9条について書いているものはたくさん読んできましたが、25条について書
いてあったところは非常に興味深く読みました。

一般向けにやさしく書いてある本なので、広く読まれるといいと思います。

ご一読を。


http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4780300002.html

かもがわCブックス〈14〉
『憲法9条と25条・その力と可能性』

渡辺 治【著】
(京都)かもがわ出版 (2009/10/10 出版)

286p / 19cm / B6判
ISBN: 9784780300000
NDC分類: 323.14
価格: ¥1,785 (税込)



平和と貧困打開へ―憲法9条・25条を軸に戦後日本の二つの流れの対決を俯瞰し新政権下での闘い
の展望を示す。

第1章 憲法の力とはいったい?
第2章 日本国憲法はどんな国家をつくろうとしたか?―日本国憲法に盛り込まれた三つの国家像
第3章 憲法九条は戦後の日本をどう変えたか?
第4章 憲法二五条は日本社会をどう変えたか?
第5章 改憲、構造改革の新たな攻勢に運動はどう立ち向かったか?
第6章 憲法を力に未来をひらくために―改憲から憲法を実現する社会へ

著者紹介

渡辺治[ワタナベオサム]
1947年、東京生まれ。東京大学法学部卒業、東京大学社会科学研究所助教授を経て、現在、一橋
大学社会学部教授。九条の会事務局
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松原明です。

私も『憲法9条と25条・その力と可能性』を読みました。構造改革などで鋭い分析をする理論家の
渡辺さんですが、ご自身も言っているとおりこの本は渡辺 
さんが「初めて運動のことを書いてみた」本です。

とても実践的で力を与えてくれる本でした。戦後の歴史のなかから、憲法を理念ではなく現実の力に
してきた源泉は市民(労働者)の運動であることを、実証 
的に示しています。砂川闘争や60年安保にいたる平和運動の経緯なども勉強になりました。

また、住友セメント結婚退職違憲裁判や日産自動車差別定年制違憲裁判で立ち上がった女性のたたか
いが、全産業における女性差別を是正させていった実例。 
生活保護基準を改善させた朝日茂さんのたたかいなど、決意した個人が状況を動かす話が強烈です。
運動なくして憲法はない、ことがわかります。しかし、こ 
うした運動を起こせるのも、制限的自由の明治憲法ではなく、絶対的表現の自由を保障した日本国憲
法があるからこそ可能になっているという「弁証法的関 
係」も教えてくれます。

前述の朝日茂さんが立ち上がったとき、仲間から「裁判をやらないでくれ。あなたはそれで満足する
かもしれないけれども、他の人が迷惑する。他の人がいじ 
められる」と足を引っ張る声が多かったそうです。しかし、朝日茂は憲法25条に対する確信によって
揺るがず、裁判闘争を貫徹して、最終的に全体に波及す 
る大きな成果をかちとったのです。いまも、一人のたたかいを強いられるケースのなかで同じような
話をよく聞きます。その意味でも朝日茂のたたかいは、非 
常に教訓に満ちたものでした。

ぜひご一読ください。

Created by staff01. Last modified on 2009-10-24 10:33:25 Copyright: Default

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