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LNJ Logo フルタイムで働いて月給10万、手取り5万!?(酒井徹)
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フルタイムで働いて月給10万、手取り5万!?
――それでも労基署は動かない――
http://imadegawa.exblog.jp/11815827

■「これでは生活できん!」
「売り上げがないから、
 給料は一律総額10万円にする」――
三重県の
ある医療機器メーカーで働く従業員らが
8月10日の朝、
仕事前の打合せの時間に
給料の減額を言い渡された。

4人の従業員からは
「生活できん」など不満の声が巻き起こった。
だが上司は、
「足りない分は会社から貸し付け、
 もしくは給料の前借りを認める」
などと言い〔注1〕、
それでも納得がいかない従業員らに、
「それでいくから。
 社長決定だから」と押し切った。

〔注1〕つまり、
従業員に払う金はないくせに、
貸し付ける金はあるわけだ。
奇妙な会社である。

数日後、
従業員の男性・Nさん(35歳)は
7月分の給料明細を見て愕然とした。
給料の減額を告げられたのは
8月になってからなのに、
7月分に遡って
給料が10万円に下げられていた。
そこから、
社会保険や税金・社員寮の家賃などを引かれ、
手取りは何と5万1485円である。

Nさんは7月、1日も欠勤していない。
月曜日から金曜日まで
1日8時間フルタイムで働き、
それどころか土曜日も2日出勤した。
医療機器製造の立ち上げにあたり、
県の許可を取ったり、
機械の図面を描いたりして、
20時間程度は残業もしていた。

もともと「残業代は付かない」ものと
諦めてはいたが、
手取りで19万円もらう約束で働いてきた。
それがいきなり、
手取りが約5万円である。
給料明細をもとに計算すると、
1ヶ月に23日、
日に8時間まじめに働いたNさんの7月の給料は、
1時間あたり単価が
わずか543円ということになる。
三重県の最低賃金・時給701円を
大幅に割り込む とんでもない金額だ。

■それでも労基署は動かない
「これでは生活していけない」。
Nさんは労働基準監督署に駆け込んだ。
だが、
監督署のカウンターに座っていた役人は、
「給料の減額を言うタイミングについては、
 特に決まってないんですよね」
というだけだった。
7月には総額で
二十数万円もらえると思って働いていたのに、
8月になってから
「10万円にする」などというのは
「あり」なのか。
Nさんは労働基準監督署の対応に
失望を感じた。

そんなNさんが
三重県の個人加盟制労働組合
「ユニオンみえ」にやってきたのが
8月24日である。
ユニオンみえの相談員は
Nさんの話を聞いて、言った。

「たしかに
 『給料の減額を言うタイミングは
  決まっていない』というのは
 本当です。
 でもそれは、
 減額の提案に従業員が納得した場合の
 話でしょう。
 そもそも給料は、
 会社の側だけの一方的な都合で
 引き下げられるわけがありません。
 従業員が一方的に、
 『今月はオレの財布が厳しいから、
  給料を5万円上げてくれ』と言っても、
 会社がそれを呑む必要がないのと
 同じです」

「そもそも管理監督者でも何でもない
 一従業員に
 『残業代は付かない』ということ自体が
 おかしいし、
 フルタイムで働いて月給が10万円では
 タイミング云々以前に
 最低賃金法に違反しています。
 これが問題でないという監督署の対応は
 明らかに間違っていると思います」。
ユニオンみえの相談員は指摘した。

■ユニオンが同行すると態度変わることも
「実は、
 労働基準監督署の窓口に座っている
 『相談員』は、
 『監督官』と違って
 そもそも企業に何の権限も持たない人なんです。
 企業の労務経験者なんかが多くて、
 相談者をうまく言いくるめて
 監督官の手をわずらわせないようにするのが
 仕事だと思っている人もいる。
 労働者が1人で行かず
 ユニオン(労働組合)などが同行すると、
 全然違う対応がなされることも少なくありません」

Nさんはユニオンみえの説明を受け、
パンフレットなどを受け取った。
「私と一緒に給料の減額を言い渡された
 他の3人の同僚たちにも話をして、
 一緒に給料を取り戻したいと思います」。
Nさんはそう言って帰っていった。
 

ユニオンみえ・広岡法浄書記長の話

利益が上がらないからといって
一方的に賃金を下げることは認められない。
まして、
生活が成り立たない
レベルにまで賃金を切り下げるなど、
認められるわけがない。
労働基準監督署の担当者は、
まず、
問題意識を持って相談者に対応すべきだ。
国民は監督署に怒っている。
政権交替を契機に
監督署の意識も変わってもらいたいものだ。

ほとんどの労働者は
労働組合の力を知らなさすぎる。
労働組合に入る、
団結するとは
武器を手に入れることだということを
知ってもらいたい。
素手で会社と闘っても勝てない。
Nさんが3人の仲間を連れてくること、
組合に入って闘うことで、
組合の力を理解し、
さらに仲間を増やすようになっていけばと思う。
政権交替で
労働者の意識も変わっていくことを願う。 
(インターネット新聞JANJAN8月26日から
 加筆転載) 


酒井徹

Created by staff01. Last modified on 2009-08-28 01:13:34 Copyright: Default

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