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 坂井貴司です。
 
 中国は反日で台湾は親日だ、という声はよく聞きます。嫌中派は親台湾派であ
ることが多いようです。台湾独立を支持する日本人は大勢います。台湾と同盟を
結び、中国と対抗しようという声もよく聞きます。
 
 確かに、日本が好きだと言う台湾人は多くいます。統一という美名を掲げて台
湾を支配しようとする中国に対抗するには、日本と手を結ぶのが良いと考える台
湾人はいます。日本の植民地支配のおかげで台湾は豊かになった、感謝している
と言う人もいます。
 
 しかし、です。「我々は中国人ではない。台湾人だ。台湾は独立国家だ」と主
張する人々の多くは、漢字を使い、福建語が元である台湾語を話す漢民族です。
台湾人を自称するその漢民族の先祖が、対岸の中国大陸からやってくる以前から、
この地にはアミ、タイヤル、ヤミなどの先住民族が住んでいました。先住民族か
ら見れば、漢民族は異国からやってきた侵入者でした。それは、日清戦争後、台
湾を植民地した日本も同じでした。先住民族に対する支配という点で、日本人と
漢民族は共通しています。
 
 さて、日本では差別語とされる「原住民」という言葉を高々と掲げ、
 
 「我々は原住民だ!中国人でも、ましてや日本人でもない。漢民族や日本人が
来る前から台湾は我々のものだ!」
 
と立ち上がる歌手チワスアリ(高金素梅)を中心に、日本と中国の両方から徹底
的に踏みつけられ、無視されてきた台湾先住民族の姿を生き生きと描いたドキュ
メンタリー番組のDVDとCDがセットで発売されています。

 映画「出草之歌 台湾原住民の吶喊 背山一戦」 井上修監督 

 公式サイト
 http://headhunters.ddo.jp/default.files/frame.htm#slide0011.htm
 (IEでないと完全に閲覧できません)
 
 DVD、CDのセット販売中。
 個人視聴用価格:3,990円(税込) 送料:200円
 
 申し込みは
 http://headhunters.ddo.jp/default.files/frame.htm#slide0011.htm
 へ。
 
 この映画は「歌」をテーマにして物語が進みます。
 
 「文字を持たない私たち原住民は、歌によって言葉や神話を受け継いできまし
た。歌こそがすべてなのです」

と先住民族たちは、途絶えようとしていた先祖伝来の歌を歌い、民族としての自
覚を取り戻そうとします。それは排外主義ではありません。異なる言葉を話す他
の民族や漢民族との共同作業です。 

 そして、日本に対してこの映画は刃を突きつけます。
 
 首狩りをする野蛮人だと先住民族を軽蔑し、同化政策を進めていた日本は、太
平洋戦争中、人々を日本軍兵士として戦場に送りました。多くの先住民族が戦場
で死亡しました。戦死した人々は英霊として靖国神社に祀られました。台湾出兵
(1874年)や霧社事件(1930年)で多くの先住民族を殺した日本の軍人
たちと一緒にです。これに対してチワスアリたちは「日本は我々の土地や命を奪
っただけでなく、死者の魂まで奪うのか!」と靖国神社につめよります。この抗
議に対して日本の右翼達が「中国人は帰れ!」と罵声を浴びせます。
 
 この映画を私は、第11回ゆふいん文化・記録映画祭で見ました。圧倒される
と同時に、軽々しく台湾独立や統一を口にすべきではないと思いました。それは
台湾先住民族を無視することになるからです。
 
 この映画を観なければ台湾を語ることはできません。
 

Created by staff01. Last modified on 2008-11-16 18:46:51 Copyright: Default

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