写真速報 : 「フツーの仕事がしたい」初日〜鎌田慧さんが絶賛 | |||||||
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運送労働者の過酷な労働実態を描いた映画「フツーの仕事がしたい」(土屋トカチ監督作品)が、10月4日から東京・東中野の「ポレポレ東中野」で上映されている。 初日4日の第一回、会場には満員の100人が集まり、上映後、土屋監督、作品の主人公・皆倉信和さん、激励に訪れたルポライター・鎌田慧さんのトークに熱心に耳を傾けた。 ■劇場用にリニューアル 「希望はユニオン」――本作品は、インターネットサイトを中心とした労働者・市民のネットワーク「レイバーネット・日本」の「ユニオンYes!キャンペーン」から生まれた。映像作家の土屋さんが主人公と知り合い、驚くべき前近代的、非人間的な労働環境を打ち破るべく、闘いの記録を撮り続けた。昨年発表されたオリジナルから今回、劇場用に新たにリニューアル。渾身のドキュメンタリーに仕上がった。 土屋さん(写真左)は「ピクニックでも行きたいような快晴の今日、みなさんお越しいただきありがとうございます」と舞台であいさつ。 「今、労働問題ブーム、蟹工船ブームと言われていますが、この作品の公開と偶然タイミングが合い、みなさんの目に触れられて幸せです」。「労働問題についてのマスコミ報道には限界がある。そこには解決策が示されていない。皆倉さんが置かれていたひどい『フツー』の状況は、かつて自分も同じだった。それは自分にとっても『フツー』だったのです」。 主人公の皆倉さん(写真下中央)は、無口で温厚な、どこにでもいる好青年。「ここまでやれるとは思っていなかった。この先どうなるのかという不安は常にあった。最初は組合の記録映画の撮影だと思っていた」。 「仕事はだいぶ楽になった。今の自分があるのは、組合のみなさんに助けられたおかげです」と胸の内を語った。 ■闘いの記録、親子のドラマ 鎌田さんがマイクを握った。「三里塚や山谷など、70年代の闘争映画を思い出した。この作品は極めて現代的なドキュメンタリー。本人が病気になったり、お母さんが心労で亡くなったり、皆倉さんの人生も映っている」。 「労働者の典型のような、頑固そうなお父さんがいい。反対にお母さんは優しそう。皆倉さんはそんな家庭で育てられた。この作品は、親子のドラマでもある」。 「最初に会社に押しかけたとき、経営者に脅された皆倉さんの戸惑う表情もいい。彼のようにまじめに働いてきても、どうにもならない人は世の中にいっぱいいる。そういう人たちの励みになる作品だ」。 ■一度くらいはクビになっても 「秋葉原の事件とか、大阪の放火事件、自殺などが後を絶たない。やはり解決するのは組合しかない、闘うしかないのだと、この映画はアピールしている。団結して連帯して、攻撃をはね返していく。人生はまだまだやることがあるぞ、ということを示している。」 「組合を作ってやっちまおう、というくらいのほうがいい。一度くらいはクビになったほうがいい。皆倉さんの今の生活は、自分で切り開いてきた結果だ。この闘争のドラマは、現代の煮詰まった状況をよく表している」。鎌田さんは絶賛した。 劇場には、皆倉さんと共に闘った仲間たちも駆けつけていた。土屋監督に紹介されて立ち上がると、場内は大きな拍手に包まれた。 (報告と写真=レイバーネット会員・Y) Created by staff01. Last modified on 2008-10-05 10:47:27 Copyright: Default |