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LNJ Logo ドイツG8対抗運動〜「暴動」報道はまちがい
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 WSF連絡会の大屋です。

 日本では6月4日にも「暴動」があったと報道していますが、 こちらは平穏に活動しております。
 まずは6月3日の状況をお伝えします。 ---  6月3日、G8サミットを控えたロストックでは、市内各所で抗 議活動が行われている。

●「農業の日」

 対抗行動主催者の一角をなす「G8・グローバル農業の行動ネ ットワーク」は、3日を「農業の日」と位置づけた。この背景 には、国際農民運動団体「ヴィア・カンペシーナ」とそれに連 なるヨーロッパ各地の農民運動が、今回のG8対抗行動に参加し ていることがある。これらの団体は、G8の政策が、輸出産業型 の商品作物栽培奨励、アグリビジネスなどの大企業の厚遇、遺 伝子組み換え作物の野放し、そして飢餓をもたらしているとし 、家族経営の小農家や土地なし農民の保護、食料主権、農地改 革、持続可能な農業優先を訴えた。(本報告の末尾に、ロスト ックに向けたヴィア・カンペシーナの呼びかけ文を転載してお く。)
 とりわけ、この日は、遺伝子組み換え作物問題が焦点となっ た。300人近いデモ隊が、正午前後に市内を行進した後、ロス トック郊外の町リューデヴィッツにある遺伝子組み換え作物研 究所に向かい、抗議活動を展開した。

●市内各所での抗議行動

 またその他にも、ロストック市内でいくつかの集会と自然発 生的な抗議行動が、断続的に行われた。イラク・アフガニスタ ンへの派兵や外国軍基地に反対する運動団体が主催した国際反 戦集会には、150人近くが集まっていたが、それが終わるや集 会参加者が、会場近くのマクドナルド店舗の前に、多国籍企業 への抗議の意思を込めて自主的に座り込む、といった具合であ る。
 夕方からのロストック港広場におけるコンサート「G8に反対 して動こう」には、3000-4000人近くが集まり、音楽演奏の前 にグリーンピース代表がG8の地球温暖化への無策を告発してい た。 

●2日のデモの評価

 ドイツのマスコミは、いっせいに昨日のデモで「暴動」がお きたといった報道を繰り返している。(日本のマスコミについ ても、ほぼ同様の見解が垂れ流されている。)
 しかし実際の状況は異なっている。8万人が参加したデモ・ 集会はきわめて平和的なものであった。会場の奥には飲食用屋 台が平穏に活動していた。その背後に警察の放水車が出現する ことのほうが、あまりにも異様であった。こうした状況を無視 した報道は、今回の対抗行動の評価を誤って伝えており、参加 者は一様に疑問を感じている。
 ただし、運動側にあったとされる一部の「暴力」をきっかけ に、対抗行動ネットワークに動揺があるのも事実である。たと えば、今回の行動の中核団体のひとつATTACドイツは、3日記者 会見を行い、警察が平和的な参加者を含めて過剰な弾圧姿勢を 示したことを指摘する一方、警察側に二人の重傷者が出たこと に言及し、抗議活動参加者が身体に危害を加えることはゆるさ れないことと非難した(参照:http://www.attac.de/aktuell/presse/presse_ausgabe.php?id=728 )。
警官であろうと、運動参加者であろうと、誰かに危害を加 えることは戒めなければならない。しかし、これを受けて、ド イツの団体の一部から、今後のデモを抑制してはどうかという 意見がだされ、平和的な市民的不服従活動は継続すべきとする 直接行動派と一時議論になった模様である。
 取り締まる側の当局も、これによって対抗ネットワークの分 裂を引き出し、今後の対抗行動を極力縮小させたいという意図 が見え隠れしている。ドイツの運動の力が試されている。 

●警察対応とそれへの抗議

 前日2日の大規模デモをうけて、ドイツ警察は各所で恣意的 な検問を行っている。コンサート会場への道には機動隊が配置 され、黒い服装の若者のみを止めては、荷物検査などを行って いた。
 3日までに、複数の活動家が警察の拘留されたが、ロストッ ク地方裁判所の前には百人前後の人間が、逮捕者の不起訴を求 めて座り込むなど、警察活動への抗議も市内各所で展開されて いる。


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