香港メーデー宣言～返還10年、生活水準の大後退

会員の稲垣です。

香港のメーデーがＵｐされていましたので、同集会のメーデ宣言を訳してみました。ビデオに登場するセックスワーカーを支援する団体も署名賛同しています。

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メーデー宣言
返還１０年、生活水準の大後退
７大要求、団結した闘争で未来を迎えよう

今年のメーデーは、香港が返還されて10年目のメーデーである。返還から10年目の今日、経済規模と土地物価などは回復し、10年前の水準を上回っている。しかし労働者階層の収入、生活レベルはそのころには及ばないことは間違いない。金融危機、ＳＡＲＳ騒動を経て、賃金の減少、福祉の後退、リストラなどによって、労働者の多くが10年前と比べ賃金が大幅に下がり、労働時間は増大している！　雇用関係においても構造的な変化がみられ、アウトソーシングや臨時雇用化、有期契約化などの不安定な状況が出現している。

労働者階層は搾取されてきたが、香港特別行政区政府は、労働者の生死を省みることなく、財界に協力しその共犯者となり、労働者の基本的権利を抑圧している。返還後わずか2週間で、香港政府は立法局（国会にあたる：訳注）を正式に通過した団体交渉権法を凍結することを宣言、四ヵ月後にはそれを廃止してしまった。法律の廃止は労働者の集団的力を削ぎ、雇い主に権力が集中する不平等な関係が継続することになった。そして、金融危機（返還直後の97年10月：訳注）の衝撃に直面した際、労働者に団体交渉権のない中で、雇用者は自由に雇用契約を変更し、その結果、生活水準が大後退した！

許せないことに、香港政府は労働者階層の苦難を省みることなく、最低賃金や労働時間規制法の制定を拒否しつづけてきた。香港政府はそれだけに留まらず、有期雇用化、臨時雇用化などを率先して進め、現在、政府に雇用される職員の一割が契約職員となっている。

だが抑圧が強まれば反発も拡大する。過去10年、労働運動は一つまた一つと闘争を続け、犠牲を厭わず、権力を恐れない抵抗の歴史を書き記してきた。これらの歴史は労働者階層の望みを反映したものであり、団結なくして希望とオルタナティブはないということを全香港の労働者に意識させた。さらなる団結の力で労働者の権利、生活水準の改善、公正で民主的な労使関係を勝ち取ろう。

今年のメーデーでは、われわれは以下を政府に要求する

１　香港全体をカバーする最低賃金制度を制定せよ。３０元を下回らない時給を制定すること。各産業の低賃金労働者の基本的生活を保障せよ

２　労働時間規制法を制定せよ。週４４時間の労働時間、および時間外労働には通常賃金の１．５倍の賃金を支払うことを保障せよ。

３　団体交渉権を復活させよ。力関係が極めて不公平な現在の労使関係を改善し、労働組合が雇用者側と対等に交渉することを保障せよ

４　非正規および契約労働者の権利を保障せよ。政府および財界が推し進めるアウトソーシング、臨時雇用、有期契約などの雇用形態に反対し、現行の雇用条例における非正規労働者への差別規定を廃止せよ。

５　労働安全衛生および労災職業病法を改善せよ。政府による補償基金を実施し、財界の独占的で、被災者の権利を軽視する民間の労働保険制度を取り締まること。

６　賃金不払いの廃絶。現行法の抜け道をふさぐために、賃金不払いが発生した企業の経営陣は民事及び刑事責任を負い、雇用主を訴追できるようにして、圧力を強めること。

またわれわれは香港全土の女性労働者が次の権利を勝ち取ることを訴える。

７　正当な賃金。賃金調整はインフレや経済成長そして企業の利益などの諸要素を反映させ、労働者が正当な賃金を得ることができるようにしなければならない。

立ち上がろう！　奴隷になりたくない者たちよ、尊厳のため、生活のため、上記の基本的要求のため、ともに団結しよう！ともに未来を切り開こう！

メーデー、万歳！
労働者の団結、万歳！

２００７年５月１日

署名団体
民間人權陣線、社會民主連線、中大基層關注組、群福婦女權益會、老人權益中心、新婦女協進會、清潔工人職工會、深水;社區協會、香港聾人協進會、街坊工友服務處、陳昌議員;事處、全球化監察、人民@民主戰車、香港社區組織協會、香港婦女勞工協會、張超雄議員、李卓人議員、香港中文大學學生會、工業傷亡權益會、梁耀忠議員、公教職工青年會、香港基督徒學會、關注綜援檢討聯盟、劉千石議員、香港浸會大學學生會、前線福利從業員工會、馮檢基議員、紫滕、前綫、屯門之友、領匯監察、基層發展中心、公務員工會聯合會、余秀珍議員、房屋署屋宇事務助理協會、郭家麒議員、香港天主教大專聯會、香港樹仁大學學生會、天主教正義和平委員會、香港民主民生協進會(民協)、香港天主教勞工事務委員會、亞太外勞同盟(Asia Pacific Mission for Migrants)、菲律賓人社區服務資訊網絡(Filipino Community Services Information Network)、亞洲外傭中心(Asian Migrant Center)、(Far East Overseas Nepalese Workers’ Association）