本文の先頭へ
LNJ Logo 共謀罪成立を阻止した! 次の闘いに備えよう
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1149138496357st...
Status: published
View


共謀罪の行方に関心を寄せるすべての方へ

今国会における共謀罪成立を阻止した!
直ちに、次の闘いに備えよう!
       海渡 雄一

 ぬか喜びになってはいけないと思いつつ、どうやら、今国会における共謀罪の 成立は避けられる見通しがはっきりしてきたようである。強行採決が見送られた 5月19日以降の状況を振り返ってみよう。

1 5月19日以降の経緯

 5月19日に強行採決が予定されていたが、これが河野洋平衆議院議長の裁定 により、延期された。その背後では、会期延長をしたくない小泉首相の意思が働 いていたという報道もなされている。
 5月26日以降、法務委員会石原委員長の提案で、与野党の実務者協議会が準 備会合も含めて断続的に開催されてきた。この実務者協議会は自民党、公明党、 民主党の三党で構成されていて、正式の一度目が5月29日、二度目が5月30 日に開催された。
 5月30日法務委員会理事会が開催され、この協議会の途中経過が報告され た。この中で、修正のための検討事項として(1)逮捕の要件、(2)共謀の定義の明確 化(3)共謀罪と対象犯罪の吸収関係(4)対象犯罪が実行されなかったとき、自首のと きの刑の減軽・免除について(5)共謀罪の対象犯罪(6)対象犯罪の選定と犯罪の国際 的な性質、の6点が理事会に報告された。6月1日には次の理事会がセットされ ている。

2 首相と自民党幹事長が確認

 ところが、5月31日昼の段階で、共同通信によれば,【政府、与党は31 日、「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法の改正案の今国会成立を断念した。小 泉純一郎首相が自民党本部で武部勤幹事長らと会談し、会期延長しないことを確 認、「次の国会できちんと仕上げるよう野党と段取りを付けるべきだ」と、同改 正案を継続審議とし、秋の臨時国会で成立を期すよう指示した。】ということと なった。この報道は各紙が確認しており、もうこの結論が動くことはあるまい。 明日以降も警戒態勢は解かないで、国会の動向に注目する必要はあるが、政府与 党の高いレベルでなされた判断が覆される可能性は小さい。

3 水面下で続いていた与野党のデッドヒート

 実は、今日の31日の段階に至っても、法務委員会与党理事は与党最終修正案 なるものを野党側に提示し、来週には採決を求めるという最後の努力を継続して いた。
 この最終案は上記の6点について一定の譲歩を示したものであるが、犯罪の越 境的性質は要件とされず、また、600を超える対象犯罪も過失犯などごくわず かな例をはずそうとしたものにとどまり、なお抜本的な修正案とはいえないもの であった。

4 今国会における共謀罪成立を阻止した!

 このように、法務委員会の与党理事とその背後にいた法務省は最後まで、共謀 罪法案の今国会中の成立、ないしせめてもの衆議院での可決を求めて必死で活動 していた。しかし、結局国会日程との関係で、今国会での成立は完全に難しくな り、衆議院での採決も見送られる見通しとなったのである。これは、基本的人権 を抑圧し、我が国の刑事司法体系を変えてしまうと指摘された悪法について、与 党絶対多数という不利な国会状況の下で、大多数の国民が反対している世論を作 り出して、これを背景に闘い、その成立を阻止したのであり、1950年代の警 職法改正を阻止したとき以来の、我が国の民主主義政治の歴史上、画期的な出来 事と言っていいであろう。

5 6.13に集まって、秋の臨時国会に向けた運動の方向性を話し合おう。

今国会の終盤である6月13日に、共謀罪反対の市民集会が開かれることとなっ た。主催は超党派国会議員と市民団体である。  国会会期末で、強行採決の危機に備えるために設定された集会であったが、今 国会における法案成立の危機はほぼ乗り越えつつある。しかし、政府与党が共謀 罪の成立をあきらめたわけではない。法務省はどんなに修正してでも、共謀罪を 作りたいと考えているようであり、秋の臨時国会では問題は再浮上するだろう。 国会の休会中も与野党協議続けられることとなるかもしれない。ここで、反対の 手をゆるめてはならないのである。  集会のチラシのうち、テキスト部分を以下に抽出して、メールする。この会場 は1000人もはいる大きさである。ぜひ、この会場を満員にして、秋に向けた 共謀罪反対運動ののろしをあげよう!

■ ■ 引用はじめ
「共謀罪」の新設に反対する!
超党派国会議員と市民の大集会                                           ご存じのとおり、「共謀罪」の審議が風雲急を告げております。 何度も強行 採決の危機が噂されましたが、その都度幅広い市民の高い懸念から、ストップが 掛けられ、5月19日には河野洋平衆議院議長から強行採決は望ましくないとい う裁定がなされ、いまも与野党の協議が継続されています。しかし、いまも与党 側は今国会中の成立の意図を捨てておらず、衆議院法務委員会で強行採決される 可能性は残っています。
 共謀罪は、600以上の主要犯罪について、犯罪が実行される前に単に合意し たと言うだけで、犯罪を成立させてしまう極端な内容のものであり、現代版治安 維持法ともいわれる稀代の悪法です。また、共謀罪の捜査のためには盗聴捜査の 拡大が計画され、監視社会化が進められることは避けられません。
 共謀罪が人権侵害につながる深刻な危険性をはらんでいることを、超党派の国 会議員と市民が一緒になって訴える集会を開催します。共謀罪に反対し、廃案に 追い込むべく、院内外の力をここに結集していきましょう。ぜひ、ご出席、取材 のほど、よろしくお願いします。

◆緊急大集会◆
時   2006年6月13日 (水) 午後6時半〜 
場所 日本教育会館  <千代田区一ツ橋2−6−2  TEL 03−3230−2833  >  地下鉄都営新宿線・営団半蔵門線 神保町駅(A1出口)下車徒歩3分 地下鉄都営三田線    神保町駅(A8出口)    下車徒歩5分 地下鉄都営東西線    竹橋駅(北の丸公園側出口)下車徒歩5分 地下鉄都営東西線    九段下駅(6番出口)    下車徒歩7分 発言  超党派国会議員・日弁連・刑事法学者・文化人・ グリーンピース・反差 別 国際運動・アムネスティ日本・高橋均(連合副事務局長)・落合洋司(弁護士・ もと 検察官)ほか
<呼びかけ>
糸数 慶子(無所属・参議院議員) 石井 郁子(共産党・衆議院議員) 井上 哲士(共産党・参議院議員)   枝野 幸男(民主党・衆議院議員・法務委員)    江田 五月(民主党・参議院議員・法務委員) 小川 敏夫 (民主党・参議院議員) 河村たかし(民主党・衆議院議員・法務委員) 近藤 正道(社民党・参議院議員) 高山 智司(民主党・衆議院議員・法務委員) 千葉 景子(民主党・参議院議員・法務委員) 仁比 聡平(共産党・参議院議員・法務委員) 平岡 秀夫(民主党・衆議院議員・法務委員)  福島みずほ(社民党・参議院議員)     保坂 展人(社民党・衆議院議員・法務委員)  松岡  徹(民主党・参議院議員・法務委員)     円 より子(民主党・参議院議員)     簗瀬 進(民主党・参議院議員・法務委員)

<問い合わせ先>  グリーンピースジャパン:5338-9805  / アムネスティ日本:3518-6777

■ ■ ビラの引用終わり

海渡 雄一


Created by staff01 and Staff. Last modified on 2006-06-01 15:19:41 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について