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News Item 20050620m1
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死ぬな!辞めるな!闘おう!

6・19 関西トランスポート分会の闘いの報告

発行■人事交流=強制配転に反対する近畿郵政労働者の会 6月20日号

          兵庫県の加古川郵便局で郵政民営化攻撃を象徴することが起きています。 それは、小包配達の下請企業による組合結成を嫌った全員解雇という不 当労働行為です。

事態の発生はこうです。加古川郵便局では他の3局と共に関西トランス ポートという業者が小包の配達を請け負っています。この業者は実態的 には労働契約であるにもかかわらず請負であるかのように装って労働者 11人を雇っています。そして完全歩合制の賃金形態で、小包一個の配 達で105円、車持込の人で120円を支払います。郵便局からは一個 169円で請け負っており3割から4割近くのピンはねをしています。 しかも配達完了して判子をもらうことによって歩合が発生し、不在配達 ならただ働きです。しかも昨年10月からはゆうパックリニューアルと 称して不在なら3日間、配達完了するまで持ち出さねばならなくなりま した。最終電話受付時間が19時から20時に延長されたので、朝8時 に出勤して、最低21時まで配達せねばならず、悪くすると24時を超 えることもあります。一日13時間以上の勤務ですが超過勤務手当ては 出ません。これは明らかな労基法違反です。時間は長時間しばられます が小包の個数自体は少ないこともあり、一日の賃金が1200円という こともあります。兵庫県の最低賃金は675円なので2時間分にも満た ず明らかな違反です。

このような労基法違反に対して、ついに労働者が組合に結集しました。 関西合同労組関西トランスポート分会の結成です。3月に組合通告をし、 1人分会として団体交渉をおこないました。この組合結成の報を聞いた 同じ職場で働く労働者が次々に組合に加わり8人の分会となりました。 ところが第二回団交で会社側は団交拒否を通告してきました。理由は、 「請負契約だからあなたたちは労働者ではない、だから団結権、団体 交渉権はない」というものです。そればかりか組合結成からわずか2 ヵ月後に、6月30日でもって契約を打ち切るとして全員解雇の攻撃 を加えてきたのです。

これに対して分会では6月11日に全一日のストライキを貫徹し物を 止めました。そして6月19日に第二派ストライキを闘い同日解雇撤 回を求める労働者集会を闘いとりました。

このストライキに対応しているのは関西トランスポート会社ではなく 郵政公社近畿支社です。近畿支社から10人もの労務担当管理者が送 り込まれています。彼らは加古川市内のホテルに泊まりこみスト破り と組合解体の策動を続けています。このことを見れば、団交拒否と全 員解雇の攻撃が関西トランスポートの会社の考えではなく、郵政公社 としての対応であることは明らかです。郵政公社の下請けがどれくら いの人数か正確なことは発表されていません。本務者が27万人で非 常勤労働者が14万人と言われています。その下に下請け請負があり ます。全国に多数存在している請負労働者が団結権を行使し、たたか いに立ち上がれば郵政公社の差別分断支配構造そのものが吹き飛ばさ れます。3段階に分断していることで全体の賃金を抑え込んでいる構 造が破綻するからです。本務者中心の労働組合である全逓(JPU)に よる職場支配の構造そのものが破綻してしまうからです。本務者の 「上見て暮らすな下見て暮らせ」意識の構造として連合労組による支 配がなんとか成り立っています。しかし、その支配はなんら磐石なも のではありません。その証拠が二年前の全国大会代議員選挙兵庫選挙 区で組合による締め付けが緩んだ結果としての反対派候補2人の当選 ということがありました。今年の選挙でも一支部ででも反対派が勝て ば逆転できる票差でした。

薄氷の上に立つJPUでは資本の支配が貫徹できないから郵政を民営化し、 全員解雇選別再雇用によって闘う労働者を排除することが郵政民営化 の狙いの一つだといわれています。それは国鉄分割・民営化で国労を 解体状態に追い込んだことを教訓としています。その証拠に郵政民営 化でも「人材活用センター」構想があります。あるいは、「接遇マナ ー」と称して、職場活動家を選別しての「再教育」攻撃がかけられて います。

近畿支社の総力を挙げた関西トランスポート分会つぶしの攻撃は、こ のような郵政民営化攻撃の緒戦としてかけられているものです。公社 としては「反撃」があってはならないはずのものだったのです。しか し、関西トランスポート分会は反撃のストライキに決起しました。こ のストライキの報は関西の全逓労働者の間を駆け巡りました。「スト ライキができるのか」という衝撃をもって受け止められています。近 畿支社も必死です。なんとか分会を解体しようと躍起になり、3名を 脱落させました。しかし、6月19日のストライキは5人の組合員に よって勝ち取られました。組合解体の策動は完全に打ち破られている のです。高齢の組合員は、「自分がいしづえになることで後に続いて くれたらいい」と労働者に話しかけています。

支援の輪も広がり、19日の集会には70人以上が参加、全日建関生 支部、全国金属機械労組港合同、ス労自主、自治労奈良市従などが共 に闘いました。またJPUからも、強制配転に反対する会から4人が参加 し、灘分会と当該の加古川分会から発言がありました。2人は問われ ているのは本務者であり、「総資本と総労働の問題にしていかねばな らない。」「郵政民営化で社会の構造を変えようとしている。労組を 立て直さなければならない」と訴えました。

当該のトランスポート分会からは、「郵政民営化反対を闘おうとして いた陣形を潰すことが目的だ。仮処分裁判、地労委申し立てで勝利す る」「スト破りを策動している管理者たちではまともな配達はできな い。大きな象に立ち向かう小さな蟻だがみんなの力を得て闘って行き たい」「与える影響の大きさを感じた。この力で闘っていけると思う」 と次々と発言されました。関西合同労組執行部からは、「雇用契約な のか請負契約なのかは全国各地で争われている。会社の指揮命令の下 での従属労働なら労働契約になる。関西トランスポートは労働契約だ。 仮処分裁判に訴えていく。請負なら労働基本法の対象外とすることは 許せない。全逓加古川分会が同じ職場の労働者の問題として闘ってい る。全ての郵政労働者、全ての不安定雇用労働者の問題です。勝利し よう」と訴えられました。関西トランスポート分会がJPU奈良大会、郵 政公社本社生田総裁に直訴に行くために要請したカンパは52960 円集まりました。

全逓の仲間の言うように、総資本対総労働の対決へと闘いを広め、仮 処分、地労委に勝利し、関西トランスポート分会への全員解雇を絶対 に粉砕していこう。郵政民営化攻撃そのものであるこの不当労働行為 を粉砕するために闘おう。


Created byStaff. Created on 2005-06-20 11:30:04 / Last modified on 2006-05-16 21:44:18 Copyright: Default

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