NoGaDaは日本語の「土方」だ。
日本の植民地支配を受けた時から今も工事現場で肉体労働する人を意味する言葉だ。
私の父は建築現場で働く型枠大工だが、現場では「ノガダ(土方)」と呼ばれる。
外為危機が始まった1997年冬、私の父は、すぐ生活危機に直面した。
父は、家を出て野宿者になると言い出した。
私はショックを受け、このドキュメンタリーを撮り始めた。

韓国ドキュメンタリー映画 NoGaDa/ノガダ

●監督:金 美禮(キム・ミレ)
●2005年製作/89min
●釜山国際映画祭/ソウル国際労働映画祭出品作品
■上映会呼びかけ団体:日雇全協/グローバリゼーションを考える日雇・野宿者運動準備会

1997年のIMF統制下、韓国では未曾有の大失業時代が到来し、特に公共工事の規制は 「現代グループ」などゼネコンを頂点とする重層的下請け構造の最下層にいる建設 日雇労働者を失業・野宿へと追い込みました。日帝の植民地支配によって持ち込まれた 元請・下請け制度や手配師・人夫出し等の建設労務システムという鉄鎖に苦闘する日韓の労働者。 民主労総や女性労働者の闘いを映画化してきたKim mirye監督が日雇労働者を父に持つ 実体験を手がかりに、韓国の日雇・移住労働者の労働現場の問題や争議、 日本の朝日建設争議や野宿者問題等の日雇・野宿者運動の闘いや課題を、 日韓をつらぬくものとして描き出しています。(上映実行委員会呼びかけ文より)

上映会日程

東京
2006/3/25[土]6:00pm開場/6:20pm上映開始
文京シビックセンター4F シルバーホール
名古屋
2006/3/28[火]6:00pm開場/6:30pm上映開始
愛知県中小企業センターB1
大阪
2006/4/1[土]1:00pm開場/1:30pm上映開始
エルおおさか7F 9号室

上映会プログラム

映画上映(1時間29分)+キム・ミレ監督を招いてのトークショウ
資料代 \1,200(各会場共通)
問い合わせ: NoGaDa上映実行委員会


監督:金 美禮(キム・ミレ)Mire KIM

金 美禮監督は、『私は日ごとに明日の夢を見る』(2001)、『通行』(2002)を演出した。彼女の作品の内、『労働者だ、違う』(2003)は、第8回釜山映画祭で上映され、第18回スイス・プリブルグ国際映画祭でドキュメンタリー賞を受賞した。

「ノガダ(土方)」とは、建設現場で肉体労働をする人の俗称である。
ずっと建設現場の日雇い大工として働き、不安定な暮らしをしてきた父は、もう年を取ってしまって、使ってくれる現場はない。
重層多段階の建設産業構造は封建的なやり方で労働者を支配し、資本主義の利己的な側面をそのまま反映している。
経済成長という名で資本の利益を極大化させ、日雇労働者は必要な時だけ使い、いつでも捨てられる。
建設現場での強制労働という歴史から出発した韓国と日本の労働者たちは、互いによく似ている。
毎日仕事を探し、失業の不安と苦痛を常に胸に抱きながら暮らしていかなければならない彼等の姿の中に、私は父の姿を見た。