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2020/11/07 申込み ドキュメンタリー映画「失われた春」上映会(東京・東大和市)

案内→http://www.bbm-a.jp/~eno-takanosu1737/jiyu/haru/index.htm

 福島原発事故により過酷な被害をうけた阿武隈の里山、シイタケづくりの実情から見えてくるもの

 3月の立川での上映会のあと、新型コロナ感染拡大の影響で上映会延期が続いていた「失われた春」の上映を今年の11月に行うことになりました。

 田嶋雅己監督が現地に移り住み、7年の歳月をかけて記録したドキュメンタリー映画「失われた春」。
 福島原発事事故により過酷な被害にあった福島県阿武隈地方のシイタケづくり。
 先の見えない再生の闘いを描いた作品です。
 皆さまどうぞご来場ください。

ドキュメンタリー映画「失われた春」(128分)上映会
日 時:2020年11月7日(土)
    【第1回】午前9時30分開場 10時開演
    【第2回】午後1時開場 1時30分開演
     ※各回定員150名
会 場:東大和市民会館「ハミングホール」(小ホール)
    〒207-0013 東京都東大和市向原6丁目1
    西武拝島線「東大和市駅」より徒歩7分
    アクセス→https://www.humming-hall.jp/access.php
料 金:1000円(障害者・学生500円)
主 催:自由と人権
連絡先:090-1884-5757(榎本)
※参加希望者は、参加申し込みフォームに必要事項をご記入ください。
※チケットは以下のところでお買い求めいただけます。
 ◎東大和市民会館「ハミングホール」 電話 042-590-4411
  https://www.humming-hall.jp/
 ◎東大和中央薬局(東大和病院並び) 電話 042-516-8049
  http://www.ph-yamato.co.jp/about/chuo.html
※購入時に参加票をお渡しします。
 コロナ対策のため、ご記入のうえ、当日ご持参、ご提出ください。

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★以下は「市民活動のひろば」に掲載された田嶋雅己監督の一文です。

原木椎茸の背後にあるもの〜福島の農家とともに5年・映像で伝える
田嶋雅己(写真家)

■椎茸が語る原発問題
 福島第一原発の爆発事故の翌年、私は茨城県鉾田市の原木椎茸農家を訪れていた。
 鉾田市は、その農家が出荷した椎茸から当時の基準を超えた放射性セシウム(以下セシウム)が検出され、市全城が出荷制限地域に指定されていた。
 改めて言うが、農家には何の責任もない。
 目にも見えず匂いもないセシウムが空から舞い降りて、露地に置いてあった何万本という椎茸原木を汚染したことなど、わかろうはずもないことだ。
 原木椎茸農家にとって原木は畑に相当する。
 しかもこの畑は移動する。
 原木の良し悪しが発生する椎茸の量を左右する以上、農家がより良い原木(畑)を求めるのは当然のことだ。
 「で、原木はどこから仕入れていたのですか?」と、私はその農家に尋ねた。
 「そりゃあもちろん福島の阿武隈だよ」
 阿武隈…?
 私は返答に窮した。
 福島県の阿武隈山地から伐り出されたコナラやクヌギは、全国の椎茸農家から高い評価を受け、最盛期には一千万本を超える原木が生産されていたという。
 まさに阿武隈は日本屈指の椎茸用原木の供給地だった。
 その阿武隈の里山が原発事故により壊滅的な状況にあるということを、私はその時初めて知ったのだった。
 その農家を取材しながら、私の頭の中には阿武隈の広葉樹の森が拡がり、原木を伐倒するチェーンソーの音が聞こえていた。
 原発が爆発して以来、もう原発関連の取材はしたくないと思っていた私の中で、あるアイディアが閃いた。
 「人間が原発問題を語るのではなく、椎茸に今回の事故の本質を語ってもらえるなら何か表現することができるかもしれない」
 そう思った私は、このテーマに開しては写真ではなく動画で撮影することを選択し、当時まだ16万人の人々が避難生活をしていた中、福島県の郡山市に移り住んだ。

■映画「失われた春」の制作へ
 当初一年の予定が、知らない間に5年も福島に暮らしたことになる。
 この間、農家がチェルノブィリに行きたいといえば、そのお手伝いもしたし、2014年の米価大暴落の時は福島の米を首都圏で売りさばいた。
 農家が撮影した写真展を東京や札幌などで開いた。
 映画の撮影というよりも、大半は農家の支援に費やされた5年間だった。
 椎茸問題は複雑で、わかりにくい。
 里山の汚染に関しては、大手メディアの報道もほとんどないに等しい。
 だからこそ、できうる限り丁寧に、かつ客観的に、そして何よりも阿武隈の風景を美しく撮影することを心がけた。
 山の暮らしや林業に興味のない人にとっては退屈する映画かもしれないが、阿武隈の里山で今現在、進行形で起こっている問題について感じていただければと思っている。
 紙幅の関係上、その内容についてここで詳しく述べる余裕はないが、次の点だけはこの場を借りて最低限伝えたい。

■セシウム汚染を浄化している椎茸
 現在、震災から9年が経とうとしているが、福島県内の農作物は、様々な努力の結果、国の定めた基準値を超えることなく回復している。
 しかし、唯一露地栽培の原木椎茸に限っては、9年前の状況と基本的には変わっていない。
 何故なのか?
 大きな理由は2つある。
 1つは降り注いだセシウムの多くは未だに里山の林床部にとどまり移動していないからだ。
 林内をホダ場としている露地栽培の原木椎茸にとって、この事実は致命的だ。
 つまり、山の汚染は、ホダ木の再汚染を必然とする。
 もう一つの理由は、原木椎茸の場合、原木から椎茸に移行するセシウムの量〔移行係数〕が「2」とされたことだ。
 つまり、現在の食品基準値100Bq/kg以下をクリアするための原木の指標値は50Bq/kg以下ということになる。
 汚染されてしまった阿武隈の里山に50Bq/kg以下の立木はほとんど存在しない。
 他の作物と比較して菌類の持つこの移行係数の高さが、今日に至るまで里山と原木椎茸の再生を困難なものにした最大の要因である。
 この2つの埋由は極めて示唆的だ。
 人間が暮らす環境中にセシウムが移動しないように山が固着し、林内ではそのセシウムを植物界にも動物界にも属さない菌類の椎茸が吸収している。
 つまり汚染を「浄化」している。
 私がこの問題に取り組み、映画で表現しようとした最大の理由はここにある。

■次の100年で「真の文明」を
 露地栽培の原木椎茸。
 多くの人にとっては、それがなくても困らない小さな作物かもしれない。
 しかし、その背景には里山というとてつもなく大きな「再生可能な経済システム」が存在していた。
 問題はその「システム」が、未だに出口の見えない闇の中にあるということだ。
 9年経っても里山の汚染は何1つ解決していない。
 原発が生み出した電気は文明の明かりではない。出口の見えない文明の闇そのものだ。
 足尾鉱毒問題に半生を捧げた田中正造は、1912年の日記にこう記した。「真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」。
 この日記の99年後に原発が爆発した。
 我々が100年の時をかけて作り上げてきた文明は、再び山を荒らしてしまった。
 ならば我々は、今を次の100年に向かって「真の文明」を目指す入り口とすべきだろう。
(文と写真=たじま・まさみ。写裏家、フォトジャーナリスト。日本写真家協会会員。主な著書に『炭鉱美人』(築地書房)がある。)
【連絡先】八王子市寺田町432-120の1
     電話・FAX:042-664-6406 携帯:090-2467-5379
     E-mail masami-t@mui.biglobe.ne.jp
〔「市民活動のひろば」第178号(2020.3.1)より〕

参照:https://maga9.jp/eventinfo/

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