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2017/04/30 「奪われた野にも春は来るか」写真展 フクシマを考える(2/1〜4/30)(新大久保駅)

「奪われた野にも春は来るか〜フクシマを考える」鄭周河写真展

 鄭周河さんは韓国の大学で教鞭を執るかたわら韓国内の原発とその周辺に暮らす人々の日常を撮り続け、 2008年に「不安、火-中」というタイトルで発表しました。 東日本大震災に端を発する原発事故後は福島にも足を運び、 その情景を写した作品をソウルで展示しました。 そして日本でも2013〜2014年に、 南相馬市立中央図書館をかわきりに全国6か所で写真展が開催されてきました。
 このたび高麗博物館は「奪われた野にも春は来るか」展を開催します。 このタイトルは日本が朝鮮を植民地にしていた時代の1926年、 詩人李相和がつづった詩の題名です。
 原発事故から5年以上たった今も、 多くの人が避難生活を強いられ、 放射能汚染の問題も未だ解決されていません。 「野」には人影もなく、 それでも巡りくる四季の風景は美しい。 植民地朝鮮の土地を奪われた人々と、 放射能の汚染により、 豊かな日々が奪われてしまった福島の人々を重ね合わせ、 その怒り、 痛み、 苦しみを共有したいと思います。
 歴史をきちんと見つめ、 今の韓国、 日本における原発の現実と事実を覆い隠そうとする風潮に対して、 何が必要か、 鄭周河さんの静かな写真は私たちに問いかけています。



鄭周河(チョン ジュハ) プロフィール
1958年 韓国仁川生まれ。 写真家。
1990年 ドイツ、ケルン大学自由芸術学部大学院終了。
1992年 Prof. Arno Jansen のもとでマイスター学位取得。
1996年より、韓国百済芸術大学写真科教授。
2004年より、韓国の、2011年より福島の、原発周辺の「日常」を撮り続けている。
写真集: 「大地の声 땅의 소리」(1999)、 「西方の海 
9436;쪽바다」(2004)、 「不安、火-中 불안,불-안」(2008) など。
2016年の作品展示: 鄭周河写真展「奪われた野にも春は来るか」アウシュヴィッツ平和博物館(福島)、 神宮寺(長野)、 和の家(長野)。 グループ展 「Beau et Discret,Korea On/Off」 Cité internationale des arts(フランス)、 釜山市立美術館展(韓国)など。
テレビ出演:NHK 「こころの時代」
   

◆徐京植さん(作家/東京経済大学教授)
 フクシマ以後の生とは?−『少数者の立場から』
 4.8(土)14:00〜16:30
※どちらの回も要予約 1000円(入場料含む)

高麗博物館(新大久保駅)

http://h-kishi.sakura.ne.jp/kokoro-594.htm
※いまは他人(ひと)の土地―奪われた野にも春は来るか
                    


         詩:李相和(イ・サンファ)
         訳:徐京植(ソ・キョンシク)


私はいま全身に陽ざしを浴びながら
青い空 緑の野の交わるところを目指して
髪の分け目のような畔を 夢の中を行くように ひたすら歩く

唇を閉ざした空よ 野よ
私ひとりで来たような気がしないが
おまえが誘ったのか 誰かが呼んだのか もどかしい 言っておくれ

風は私の耳もとにささやき
しばしも立ち止まらせまいと裾をはためかし
雲雀は垣根越しの少女のように 雲に隠れて楽しげにさえずる

実り豊かに波打つ麦畑よ
夕べ夜半過ぎに降ったやさしい雨で
おまえは麻の束のような美しい髪を洗ったのだね 私の頭まで軽くなった

ひとりでも 足どり軽く行こう
乾いた田を抱いてめぐる小川は
乳飲み子をあやす歌をうたい ひとり肩を踊らせて流れてゆく

蝶々よ 燕よ せかさないで
鶏頭や昼顔の花にも挨拶をしなければ
ヒマの髪油を塗った人が草取りをした あの畑も見てみたい

私の手に鍬を握らせておくれ
豊かな乳房のような 柔らかなこの土地を
くるぶしが痛くなるほど踏み 心地よい汗を流してみたいのだ

川辺に遊ぶ子どものように
休みなく駆けまわる私の魂よ
なにを求め どこへ行くのか おかしいじゃないか 答えてみろ

私はからだ中 草いきれに包まれ
緑の笑い 緑の悲しみの入り混じる中を
足を引き引き 一日 歩く まるで春の精に憑かれたようだ


しかし、いまは野を奪われ 春さえも奪われようとしているのだ

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